グラウンドでの一つひとつの練習や試合は、健康な身体があってこそ成り立ちます。球芽基金では、野球に励む子どもたちの健やかな成長を支えるため、定期的にスポーツ障害予防講座を開催しています。子どもたちが幼い頃から自分の身体を大切にする習慣を身につけ、正しいコンディショニングやスポーツ障害予防の知識を学べるよう、継続的に取り組んでいます。
今回は、新竹県の地域パートナーである「動能運動工作室」と連携し、代表の理学療法士・崔晏禎(ツイ・イェンジェン)氏を講師としてお迎えしました。講座は、新竹県の関西小学校、五峰小学校、中山小学校、大同小学校、上舘小学校の野球部を対象に実施され、理学療法士の仕事内容や、スポーツ現場で選手のケガ予防やコンディション維持をどのようにサポートしているのかについて、お話しいただきました。
崔さん自身も少年野球出身者で、新竹市・東園小学校の野球チームに所属していました。その後、高雄医学大学理学療法学科で学び、理学療法士の資格を取得。故郷である竹東に「動能運動工作室」を設立し、医療機関での勤務に加え、国家トレーニングセンターや少年野球チーム・高校野球チームでスポーツ障害予防に携わるなど、豊富な実務経験を積んでいます。
講座ではまず、崔さん自身のこれまでの歩みを紹介しながら、理学療法士という仕事について説明しました。グラウンドには選手だけでなく、多くの専門職がそれぞれの役割を担いながら選手の健康を支えていることを子どもたちに伝えました。
続いて、スポーツでよく見られるケガや、試合前のウォーミングアップ、試合後のクールダウン、日頃の食事や睡眠の大切さについて紹介し、「普段から身体をケアする習慣を身につけることで、練習や試合でも良いコンディションを維持できる」と子どもたちに伝えました。
子どもたちにより分かりやすく伝えるため、崔さんは子どもたちにとって最も身近な「野球」を活用し、野球ボールを使った筋肉のほぐし方も実践しました。足裏、ふくらはぎ、太ももの筋肉まで、子どもたちは崔さんの動きを真似しながら実際に身体を動かし、自分自身で身体をケアする方法を体験を通して学びました。
参加した子どもからは、「この授業で学んだことはとても役に立ちました。これからは家でも練習できます!」という感想も聞かれました。
質疑応答では、多くの子どもたちが投球後の腕の痛みや試合中の転倒、デッドボールなど、自分が経験したスポーツ障害について積極的に質問しました。「身体が痛くなったら、崔さんのところへ行ってもいいですか?」「ユニフォームを着て行ったら割引してもらえますか?」といった、子どもらしい微笑ましい質問も飛び出しました。
スポーツ障害予防について学ぶだけでなく、崔さんは理学療法士になるまでの学びの過程についても紹介し、子どもたちは将来の進路について考えるきっかけを得ました。夢を発表する時間には、「選手と関わりながら人の健康を支えることができるので、とてもやりがいのある仕事だと思いました。」「将来もしプロ野球選手になれなかったら、理学療法士になりたいです。」という声も聞かれました。
「一番印象に残った内容は何ですか?」という質問には、多くの子どもたちが「実際にマッサージや身体をほぐす練習をしたこと」と答えました。また、プロ野球選手だけでなく、スポーツ実況アナウンサーや野球解説者になりたいという夢も発表され、子どもたちが野球に関わるさまざまな可能性に触れる機会となりました。
球芽基金では、野球教室を通して、子どもたちに野球の世界には選手以外にもさまざまな可能性があることを知ってもらい、将来プロ野球選手になるかどうかに関わらず、自分の好きな道を見つけ、学び続けながら夢に向かって挑戦してほしいと願っています。 最後に、ご協力いただいた「動能運動工作室」の崔晏禎理学療法士をはじめ、各学校の先生方、監督・コーチの皆さまに心より感謝申し上げます。子どもたちが慣れ親しんだ野球の環境の中で、自分の身体を大切にすること、そして将来の可能性を広げることを学ぶ貴重な機会となりました。











